★「エレジーは流れない」(三浦しをん)

アラクローズ

2021年10月08日 06:00


●最近はミステリー小説ばかり読んでいて、少し飽きてきたので、久しぶりに好きな作家さんの青春群像小説?を読んでみた。
 ”エレジー”という言葉は最近聞かなくなっていて(演歌のタイトルのイメージ)、調べてみたら、哀歌・悲歌・挽歌(死を悲しむ歌)という意味のようだ。
 タイトルから想像すると”流れない”(否定形)なので、きっと悲しい結末ではないと思い読み進めた。
 男子高校生5人組の話で、最初はオジサン向けの内容じゃないので読めるか心配した。

●相変わらず、小気味がいい文章と男っぽい表現が多くて、読みやすかった。(オヤジギャグもあったかな)
 同じ年頃の息子もまだ1人いるので、進学で悩む高校生の話は参考になった。
 母親が2人いて、父親は不明という少年を中心に話が進む。(2人目の母親にはパトロンが居て複雑な関係だ)

●博物館に展示された縄文土器(本当の作者には驚かされた)盗難事件の行方も気になる展開。
 最後はエレジーの代わりに、「もちゆ〜、もっち、もち〜」という地元ソングが流れて、明るい未来を予想させる終わり方だった。

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