★「殺しの双曲線」(西村京太郎)

アラクローズ

2021年10月18日 06:00


●ネット上のミステリー小説ランキングを参考に購入した古本の中の1冊。
 東京に居た頃(約3年間)、電車や飛行機の移動時にキヨスク(今もあるのか?)や空港売店で
 移動時間に読むためにこの方の本をよく買った。(十津川警部シリーズが有名かな、電車の時刻表を使ったトリックが印象的)

●かなり古い作品(1971年!)だけど、双子のトリックとミステリーの定番?クローズドサークル(雪に閉ざされた山荘)で起きる殺人事件を描いた本格推理小説だ。

●いきなり作者から、以下のメッセージ(挑戦状?)で始まるので、騙されないぞと身構えて読み始めた。(結果、まんまと騙された…)
 −この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです。
 何故、前もってトリックを明らかにしておくかというと、昔から、推理小説にはタブーに似たものがあり
 例えば、ノックス(イギリスの作家)の「探偵小説十戒」の十番目に、
「双生児を使った替玉トリックは、予め読者に知らせておかなければ、アンフェアである」と書いてあるからです。ー

●アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品のようで、本の内容(結末まで…)登場人物から語られるので、これから読もうとしている人は注意かな。

●①東京での連続強盗事件(双子の兄弟が犯人なんだけど、兄と弟のどちらが実行したのか証明できなと逮捕できない?)
 ②東北の大雪で閉ざされた旅館に招待された6人の男女が次々と殺されていく。
 この2つの話が交互に語られるけど、どういう関連があるのか最後まで気になりながら読み進めた。

●何となく招待した旅館主が怪しいとは思うけど、その方まで殺される展開に謎が深まっていく。(まさに、”誰もいなくなった”)

●最後に2つの事件の関連と、犯人の動機が語られるけれど、そんな事くらいでこんな複雑な復讐を計画するのか理解しずらかった。
 取調室(カツ丼が出てきそうな…)での刑事と犯人の会話で終わるんだけど、人情味のある昭和的?な言葉だったな。

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