★死神の精度(伊坂幸太郎)
●
伊坂幸太郎さんの作品が続いた。
6つの作品からなる
短編集。
●全ての短編に
主人公の死神『千葉さん』(死神の苗字は町や市の名前らしい)が登場するが、
それぞれの話は独立している感じ。
最後の作品で、
これまでの話との繋がりについて少し触れられていて、時代の経過を感じさせた。
●本のタイトルともなっている
最初の作品が良かったかな。
企業の
苦情処理担当の女性に、しつこく絡む
クレーマの男の本当の理由を描く。
この女性の
生死をコイントスで決めるけど、この
タイトルの『精度』の意味が分かってニヤリとさせられた。
このぐらいの精度なら、
3編目の純愛物語でも判断を変えてほしかったけれど、それが
最後の作品に繋がってくれたので、納得してしまった。
●
映画化もされていたり、
舞台演劇やラジオドラマまで広がっているようだけど、この
変に人間に(音楽に?)興味を持つ雨男(この死神が登場する時は必ず雨が降っている)である
死神のキャラクタが面白いからかな。
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