★死神の精度(伊坂幸太郎)

アラクローズ

2011年02月07日 00:00



伊坂幸太郎さんの作品が続いた。
 6つの作品からなる短編集

●全ての短編に主人公の死神『千葉さん』(死神の苗字は町や市の名前らしい)が登場するが、それぞれの話は独立している感じ。
 最後の作品で、これまでの話との繋がりについて少し触れられていて、時代の経過を感じさせた。
 
●本のタイトルともなっている最初の作品が良かったかな。
 企業の苦情処理担当の女性に、しつこく絡むクレーマの男の本当の理由を描く。
 この女性の生死をコイントスで決めるけど、このタイトルの『精度』の意味が分かってニヤリとさせられた。
 このぐらいの精度なら、3編目の純愛物語でも判断を変えてほしかったけれど、それが最後の作品に繋がってくれたので、納得してしまった。



映画化もされていたり、舞台演劇やラジオドラマまで広がっているようだけど、この変に人間に(音楽に?)興味を持つ雨男(この死神が登場する時は必ず雨が降っている)である死神のキャラクタが面白いからかな。

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