2021年10月12日
★「いつも旅のなか」(角田光代)

●過去にこの作品(https://arakuro.ti-da.net/e4052689.html)は読んだ事があって、そんなにこの方の作品を続けて読もうとは思わなかった。(失礼!
今回この本を読んで、作者に対するイメージが変わったな。
この方の旅行記(一人旅?)が他にもあれば、また読んでみたい。
気になった文章だけでも記録しておこう。
●列車がロシア国境を越えたと、全身でわかる。歴然と変化する。あ、ちがう国に入ったと、体じゅう、頭ばかりか目も耳も鼻も手足も、きちんと理解する。
●イタリアでの親切な老夫婦の話は、意外な結末が面白かった。自分の(女性の)好みを知ってしまった夫と、彼を完璧に諦観していた妻。ふたりの絆が揺るぎないなどと感動していた作者だったが…。
●マレーシアで、何かをするのに十二時間以上平気で待つ人たちとの話。確かに、かくも長き一日の話だった。
●結婚は二番目に好きな人とするものだ。一等好きな人より二番目のほうが、心落ち着くおだやかな日々を送れる、って意味。
自分の場合はどうだったのか、考えてしまった…。
●旅するときはひとり。だれもいっしょにいってくれないんだもん、という消極的理由。(てっきり一人旅好きかと思った
●一週間ほどたつと、その地に住むだれかと偶然仲良くなる。それで彼らが私をあちこちへ連れまわしてくれる。(女性なのに度胸があるな
●台湾については、息子が進学を考えているようなので、興味を持って読んだ。
とても親切にされたようで、この国の将来は安泰だ。いろんな問題が今もあるし、たいへんなことも多いだろうけれど、この国の未来は明るいとの事。
だけど、台湾のバスはどこもかしこも暴力バス。暴力的なまでの勢いで飛ばすとも。
●パブはどこでもアットホームである。これはアイルランドじゅうに言える。アイルランドでは、また幽霊話をよく聞いた。
●韓国を旅したのは真冬。韓国の食堂では、席に着いた客に数種のキムチが運ばれてくる。食にはずれがない。マッコリを置く店はあんまりない。あれは老人の酒。韓国の人は、気持ちが熱い。
韓国では目上の人の前で(とくに女が)煙草など吹かしていちゃいけない。
●人が好んで旅する場所と、前世は関係があるのではないかとあった。
●キューバについて私が知っていることはまったくと言っていいほどない。アイスクリームを買うのに三時間くらい並ばなければならない。パターンを変えて延々続くチェ・ゲバラ看板。
※自分も実際に現地に行ったような気分にさせてくれて、最後まで楽しく読めた。
Posted by アラクローズ at 06:00│Comments(0)
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